つくね芋(粘王)収穫

2015.10.28

今年も、つくね芋(粘王)の収穫時期を迎えました。今年は、課題の残る一年でした。まず、キジの食害が最大のものです。植え付け終了後に、種芋を荒らします。ちなみに、キジは、一つの芋を最後まで食べるようなことはしません。

つまり、少し食べた後、隣の芋を食べるといったような食べ方ですので、至るところを荒らしていきます。ちなみに、さつま芋も昨年植えていたのですが、やはり、あちこちと突っつき、どの芋もキズだらけにされました。

昨年の冬は、つくね芋の食害の対策の為に鳥のエサを買ってきて、あたりに置いてみました。鳥のエサを食べるだろうと思いましたが、つくね芋の方が美味しいのでしょうか、エサには見向きもしません。ずっとエサは残ったままでした。

今年も、別段に対策は施さなかったので、同じような被害にあっています。また、それどころか、つくね芋の発芽率がすこぶる悪かったのです。種芋については、消毒すらせず、完全に農薬は使用しませんでしたので、途中で腐敗してしまった可能性もありますし、元々今年植え付けした畑は、昨年は田んぼとして使用されていましたから、水はけが非常に悪く、根腐れを起こしたのかもわかりませんし、白黒マルチ使用で地温が上がらず、発芽しなかったのかも知れません。

いろいろなパターンが想定され、頭が混乱します。ただ、悪いことばかりとも思えません。この悪条件の中で、何個かのつくね芋は、育ったのです。きっと強い生命力を帯びた芋が出来たとも感じられます。また、こうでも思わなければ、この度の収量の少なさという失敗に対し前向きになれません。日々学びですね。

また、農家ですから、収穫はしなければ前に進めません。今年は、売れるだけの量が確保できるか分かりませんが、自分と、年配の安田さん、大平さん、三浦さんで掘り取りを開始しました。

上の写真は、掘り取り機です。これは、ジャンボニンニクの掘り取りの際、活躍してくれました。芋において使用できるのかどうかわかりませんでしたが、試したところ、大成功です。これで、昨年の収穫のように一個ずつスコップで掘りあげるという労力がいらなくなり、土を振って拾うという作業に代わる為、楽ちんです。

写真の感じで土の中から芋を見つけ、回収していきます。芋の色と、土の色がよく似ていますので、見落としやすく、どうしても時間がかかってしまいます。ですが、大きい芋が出て来ると、皆さん喜びでいっぱいです。

写真は、左から安田さん、大平さん、三浦さんです。とったどー どんなもんじゃい!とパチリ。

また、諸先輩方から教えて頂きました。自分は、機械ばかり使っていますので、分かりませんでしたが、先輩方が口を揃えて言われるのは、大きい芋の上部には、草が茂っており、その草の根に、芋がしがみついているようだという事です。

草が、土の養分を吸い、芋の成長を阻害すると思っていましたが、上部の写真の如く、大きい芋は草の根にしがみついていました。不思議なことです。ですから、草も、芋と共生する為には必要な存在なのかも知れませんね。

草の存在価値、これについて体験を基に、学んで行こうと思います。草を敵視し、除草剤を撒く。こういった手法からも農業は学べますが、自分たちは、草とどのように共生できるか、それを学んでいこうと思います。

もし、草と共生できるならば、求めなくとも、恵みは与えられていることをより強く実感できるかもしれません。これからは、もっと自然の持つ姿をよりマクロに、よりミクロに見て行く必要も感じ取りました。

しかし、この度のつくね芋、どんな味がするのか、楽しみです。