発酵資材購入

2015.02.17

昨年9月の茨城県神栖地区の農協でのお米の買取価格は、一俵(60Kg)あたり8000円~9000円だと聞きました。その影響で農業をやるのも肥料代も出ないということで、農業を辞める農家さんが増えて来ました。

Yamazaru農園の隣の稲作農家さんも例外では無く、この度稲作を辞めるにあたり、4000㎡の土地を借りてくれないかという申し出がありました。Yamazaru農園としては、有り難くお借りし、この土地で今年の春は、つくね芋を作ろうと考えています。

読者の皆様にも、稲作農家さんの大変さここでお伝えしたいと思います。1000㎡(一反)あたり、いくらのお米が収穫出来るか知っていますか?

良く出来て10俵です。今回の約8000円~9000円という買取価格ですと、最高でも\90,000ですね。この\90,000の中から土地税、田植え、肥料、水費用、草ぬき、水管理、稲刈り、乾燥、精米をしなければならないのです。機械だってトラクターや田植え機、コンバイン、乾燥機とものすごく高価な機械を必要とします。

このため、農家さんは広い土地で大量にお米を作りますが、10倍の10,000㎡(
1町)作っても、手元に残るお金は最高で\900,000にしかなりません。この1町の稲作をするのに、どれだけ手間とお金がかかるか読者の方はお分かりになるでしょうか?このような金額で日本の稲作農家さんは、やる気が起きるでしょうか?どう思われます?

はっきり申し上げますと、お米は作るより買って食べた方が安いし、損をすることは無いと感じます。世の中、価格破壊も進み安いもの、便利な物と追及され、農家さんはいつまでも経済的に豊かになることはありません。稲作も半ば趣味のような感じでされている人が多いと思います。ただ、あまりにも赤字が膨らみますと存続が難しくなるのではないでしょうか?

確かに、安い外国の食材は、TPPなどの影響により、沢山入ってくるでしょう。国民の皆様にとっては、安価な物が入ってくるのです。家計も楽になるでしょう。
ただ、安いということには、あらゆる意味において、表と裏が存在します。

確かに消費者の皆さんは、安価なものは嬉しいことでしょうが、何度も言うように農家さんは、農業を存続することが困難となります。農家さんの家計は火の車です。そのことを理解出来る方が、一体世の中に何人いることでしょうか?

それでも農業をすると考えている方は、きっと採算がとれるものを考えてきます。Yamazaru農園とて同じ事です。まだ殆ど収入が無いのです。今は、研究ばかりに目を向けていますが、やがては採算のとれる農業をしないことには、存続が出来ません。

採算が取れる農業とは、つまり薄利多売できる農業、あるいは希少価値があって、またブランドがあって通常のものより高く販売のできる農業の2つであろうと考えます。1つめの薄利多売のケースでは、すでに外国から破格といっていいようなほどの安価な農産物が入ってきています。これには、共存することが困難でしょう。このことを考えると、Yamazaru農園においても、ブランド化し通常より高く売れる商品を編み出す以外に道はないと感じています。

しかし、そのような価格戦争の世界で感じることは、このような競争社会があるが故に、色々と智慧や工夫をし、技術的にも発展してきたのですが、あまりにもそれが激化するということは、もはや勝ちと負けがはっきりした世界となるのではないかと感じます。競争社会では、必ず勝ちと負けが生まれるわけですから、
負けた方は去っていく他ありません。

Yamazaru農園では、その厳しい世界の中、常に自分というものを見つめ、自分だけしかできない事をやっていこうと思っています。また、それを考えることは、とても楽しいのです。してみたいことは、山のようにあります。それを一つ一つ実践していき、価格競争の世界を超えた商品を模索しようと考えています。

前置きは、長くなりましたが、今年もオリジナルの肥料を作成致します。昨年、米ぬかと油粕で芳醇発酵の肥料を作ることが出来ましたので、ほぼ同じ手法で作成致します。発酵は、不思議な世界です。増える菌によって、全く違うものが出来ます。

ただ、今回はKS西日本の社長より農業用にと乳酸菌生産物質を大量に頂きましたので、使わせて頂きます。アルギット栽培と発酵技法を組み合わせ、オリジナルのものが出来ると思うと、心躍る気持ちでいます。

米ぬかは、近くの米屋さんで、15Kg 300円、油かすは、ホームセンターで15Kgで780円でした。この材料に、アルギット資材や乳酸菌生産物質等を使用し肥料作りを行います。

できれば、2/21から肥料作りを開始します。その時、またレポート致します。