冬のジャンボにんにく畑

2015/01/10

2015年新春を迎えました。この寒い冬空にジャンボニンニクは耐え、生き抜いています。自身の葉を黄色く枯らせながらも生きている姿には、強さを感じます。

Yamazaru農園の作物は、全て路地栽培です。太陽の光を直接浴びています。雨風にさらされ、また寒さにも暑さにも耐え、この酸いも甘いも体験した作物は、エネルギーに満ち溢れてくれるだろうと感じます。

でも、中には元気そうに見えて病気の輩も存在しています。但し、冬の時期なので葉に存在する菌も今は、おとなしくしているんではなかろうかと、勝手に想像しています。

作物自体が寒さで成長を休眠していますから、菌だって当然眠っていると感じます。写真で見ると白い斑点が出ています。これぞ、3年前に蔓延った白斑葉枯れ病だと一目見て分かりました。

白斑葉枯れ病は、ジャンボニンニクの球根にダメージを与えます。球割れ、外壁腐れ、紅色根腐れ病の誘発など、甚大な影響を与えます。モザイク病と並び、ニンニクには、大敵でしょう。

Yamazaru農園においても、消毒を余儀なくされます。使用する薬剤は、Zボルドーです。この薬剤は使用回数は制限されておらず、有機栽培に認可されたものです。 とはいえ農薬には変わりありません。。。3月、暖かくなってきたら、アルギフェート、乳酸菌生産物質と共に散布致します。

今のところ、有機栽培にて使用できるこの薬剤に頼るほか救済方法が見当たりません。

この世の中、完全無農薬という言葉が流行っています。確かにいいものでしょう。奇跡のリンゴの木村秋則さんに至っては、正に尊敬に値します。ここまで、農業に於いて真剣に作物と接し、生命の不思議にトライした人は他に知りません。

ただ、この考え方は、人間の体で言えば、全く薬を飲まないというものと同じだと考えます。みなさん、薬を飲むことが悪でしょうか?確かに薬を飲まないに越したことはなく最高ですが、飲んだからといって悪いことではありません。むしろ適切に使えば、病気も治って便利なものと感じます。

確かに、西洋医学での薬はほぼ、人体にとって有害と言われますが、その毒性も使いようによっては、有用な薬とも成りえるといいます。ただし、使いすぎは無論、毒性が強すぎて薬どころか、毒物と成りえるでしょう。

中国古代の陰陽思想を借りて言えば、どのような良薬もほんの少しの毒性を持ち、どのような毒もほんの少しの良薬の役目を持っているということですね。絶対的な物は、この宇宙に何一つ存在しないということですね。

そして、ここで非常に大事なことは、どうバランスを取るのかということだろうと自分は感じます。Yamazaru農園では、必要に応じ適量の農薬で、元気に作物を育てたいと思います。でも、木村秋則さんのように、いずれの日か農薬を使用しなくとも作物を育てられる方法を自分なりに確立していきたいと思います。

これからのYamazaru農園どうぞよろしくお願い致します。